2025/03/19 10:51



従来の2kgブロックから素材とサイズを見直し、より使いやすくなったステンレスブロックウエイト。いろいろな使い方ができて便利なので長くレザークラフトをやっていると欲しくなるアイテムです。
従来の使い方に加え、マグネットで革を直接固定できるようになったので使用の幅が広がりました。詳しく解説します。


革や型紙を押さえるウエイトとして使う

一番スタンダードな使い方としては革を裁つときや型紙を押さえる時の押さえとしての使用があります。ペーパーウエイトや文鎮で代用する方も多いと思いますが、大きく硬いヌメ革を裁つ時はしっかりと重さのあるものでなければ役に立ちません。
また、決してずれて欲しくない型紙を押さえるにはそれなりの重さが必要です。以前は2キロで製作していましたが女性や手の小さい方には少し重すぎるとの意見をいただき新サイズの1.5キロになりました。2キロ仕様や他のサイズも製作できますのでお問い合わせください。


小型のソーイングホースに取り付けて使う

店長は小物製作の時はドリームファクトリー製の小型ソーイングホースを使う事が多いです。本来これは作業台に固定して使うものですが位置が高いので腕が疲れます。上に座って押さえつけるタイプのソーイングホースも持っていますが楽な高さに調整できないのでほとんど使っていません。
小物を製作するときはステンレスウエイトに取り付けて卓上で作業すると楽な姿勢で使えます。作業台の中央に持っていき、腕を乗せて作業できるので疲れにくく繊細な作業もやりやすいです。糸を片方だけ強く引いたりしなければ倒れることもありません。店長は肩こりがひどいのでこの方法を考えました。


革包丁を使った手漉きの台として使う

このステンレスウエイトの一番の目的は部分漉き用の台としての役割でした。財布などの小物を製作するときは革を部分的に包丁で漉くことがあります。これは代わりになる良いものが見つからず、このステンレスウエイトの製作を決意する大きな動機になりました。
6面フライス加工によって仕上げられた正確な垂直と平面は部分漉きに大変役立ちます。このような台をお探しの方はぜひ使って下さい。


ホックやボタンの打ち台として使う

金属製のホックやボタンなどの打ち込み、金属ファスナーの加工の時に使うハンマー台(金床)として使うのもおすすめです。これらのパーツを打ち込む時は硬く質量のある台の上で加工する必要があります。
台が小さく軽かったり、打ち込みの際にしなって歪んだりするとボタン、ホックの打ち損じの原因になるためです。十分な質量と強度が大切なのです。店長はファスナーの上下留めの加工に使う事が多いです。


マグネットで革を直接固定して使う

強磁性のマルテンサイト系ステンレスを素材に使用したことによって革をマグネットで固定することができます。ソーイングホース等で挟みにくい形状やサイズの革をしっかり固定して卓上で縫製するのに役立ちます。
使用例のようにマグネットの跡が付かないように当て革をするかマグネットを革などで包む必要があります。厚い革を固定するにはかなり強い磁力が必要です。使いやすい強いマグネットは市販で見つけるのはなかなか苦労するかもしれません。いずれ当店でもオリジナルのマグネットを販売する予定です。


鉄製は必ず錆びてきます。

店長は過去にいくつも鉄製のブロックを使ってきました。始めはなかなか綺麗な状態なのですが、湿度が原因なのか手の汗に含まれる塩分がそうさせるのか分かりませんがある時から薄っすら錆び始めます。錆が進むと型紙や革を汚すので錆び取りしても必ずまた錆びます。オイリーな状態をキープすればよいのですが、これもまた革や型紙を汚してしまいます。

上の写真の左はクリアーの梱包用テープで6面を貼ったものです。空気に触れなければ錆びないと思うのですが錆びてしまいました。しかしテープで保護されているので錆色が革などに移ることはありません。ただ、テープに強度は無いので革漉の台やマンマー台としては使えなくなります。

右のマットなシルバーは錆止め塗料で全体を塗装したものです。かなり被膜の硬い塗料なので期待していたのですが強く擦れるとシルバーの塗料が革などに付いてしまいます。もちろんハンマー台や漉台としても使えません。

その他にもガムテープで全体をおおったり、ジンクリッチを塗ったり色々試したことがあります。ステンレスに切り替えたことでサビ取りの手間と時間から解放されいつでも作業にとりかかれるのは大きなメリットです。

ステンレスに替えた時に一番困ったのがマグネットで小物を固定して縫う作業ができなくなったことでした。ソーイングホースに挟むと後が付いたりうまく固定できないものは鉄ブロックにマグネット固定する方法を多用していたからです。

そこでマグネットに強く反応する強磁性のステンレスを使う事で最強のウエイトブロックが出来たと思っています。


従来品との比較

画像左が従来の2キロ仕様、右が新たな1.5キロ仕様です。素材の違いによりフライスの跡や色合いに違いがあります。
長手方向の10センチは変わらず、高さと幅を5ミリづつ小さくしてあります。10×5×4センチが新サイズです。

角は鋭利なため手作業により面取りしてあります。