2023/12/19 12:03
皆さんは革を裁つときや型紙を押さえるとき何を使うでしょうか?
レザークラフト用品の中では地味な存在であるウエイト。使っていない方もいるかもしれません。あまり種類もなくペーパーウエイトや文鎮などで検索して購入される方も多いと思います。大きく硬いヌメ革を裁つ時にガラス製のペーパーウエイトでは役不足な感じがすることがあります。革に乗せた型紙をしっかりと押さえてくれる重いウエイトが欲しい時もあります。
今回は当店のステンレスウエイトを紹介します。重さは約2キロです。初めて使うと少し重すぎるように感じるかもしれません。しかし、決してずれてほしくない型紙の押さえとして固定力と可搬性のバランスの取れたものです。
クランプベースとして使う

店長がよく使うのはソーイングホースなどのクランプのベースにする方法です。通常これらは作業台に固定するか上に座って押さえるのが普通です。財布などの小物を製作するときは小型のソーイングホースをステンレスウエイトに取り付けて卓上で作業してみてください。腕を卓上に乗せて作業できるので疲れにくく長時間の縫製に役立ちます。胴版の大きな鞄などを除けばほとんどこの方法で作業できます。
ハンマー台として使う

金属製のホックやボタンなどの打ち込み、金属ファスナーの加工の時に使うハンマー台(金床)として使うとかなり優秀です。これらのパーツを打ち込む時は硬く質量のある台の上で加工する必要があります。台が小さく軽かったり、打ち込みの際に微妙に歪んだりするとボタン、ホックの打ち損じの原因になるためです。

※写真の左がステンレス、右が鉄製です。
金床の多くは鉄製なので購入時はともかく次第にサビてきます。水に濡らさなくても空気中の水分と反応して次第にサビるのです。私が購入した鉄製の金床は購入時こそ輝きのある状態でしたがおよそ1年でサビ始め、その後何度かサビ取りをしました。常にオイリーな状態にしておくことでサビにくくなるのですが革が汚れるので拭きあげてしまいます。
一度サビるとサビ取りをしても研磨しなければ元の輝きは戻りません。ステンレスに切り替えたことでサビ取りの手間と時間から解放されいつでも作業にとりかかれるのは大きなメリットです。
部分漉き用の台として

このステンレスウエイトの一番の目的は部分漉き用の台としての役割です。財布などの小物を製作するときは貼り合わせた革を部分的に漉くことがあります。これは代わりになる良いものが見つからず、このステンレスウエイトの製作を決意する大きな動機になりました。このような台をお探しの方にぜひ使っていただきたいです。

素材はsus303を使用。菱目打ちや包丁などの花形ツールの影に隠れながらも鈍い光を放つ重厚なたたずまいが私は好きです。ステンレス削り出しの地肌にライトを当てるとフライス加工の跡が年輪のように浮かびます。
サイズは45×55×100ミリ、重さは正確には1950グラムです。送料は全国一律¥600です。
こちらのリンクから購入できます。